lifetime農園のある石巻市桃生町には植立山という松原があります。
そんなに大きくない松原なんですが北上川沿いということもあって公園として整備されていて、町のお祭りやおじいさんおばあさんの憩いの場、子どもたちの遊びスポットとして活躍しています。桃生町民なら誰しも1つや2つ思い出があるような場所だと思います。こういうのって田舎ならではですよね。
そんな植立山公園の松原の外れ、普通に歩いてたら気付かないようなちょっと奥の方に、ひっそりと小さい田んぼが1枚だけあります。
面積は5畝(せ)。約500㎡なので、農地としては小さい方です。
車1台が通れる道の奥にある、形が微妙、面積が小さい、というなんとも作業効率の悪い圃場条件で、更なる大規模化を押し進める昨今の農業情勢には完全に逆行してる田んぼです。パンクですね。
実はこの田んぼは小作地といって米作りを続けられなくなった方から借りてる田んぼなんですが、この田んぼを引き受けた時は荒地でした。稲ではなく雑草が茂っていました。何十年前から田んぼだったのかはわからないですが元々は田んぼで、その後米作りを続けられなくなり荒れてしまった田んぼを数年前に引き受けました。
小さいうえに作業効率が悪いので数ある田んぼの中で嫌いな田ランキング№1だったんですが、ある時この田んぼの持ち主の方の「作ってもらえるだげで本当にありがでぇ」という一言を聞いて色々考えさせられました。
小さかろうが何だろうがその人にとっては大切な1枚の田んぼ。
この田が生まれてからこれまでどれだけ苦労してお米を作ってきたのか。
そのお米が何膳分のご飯になって、どれだけその家族の食を支えてきたのか。
効率的なことばかり考えて嫌いランキング№1なんて言ってすいませんでしたって感じです。
ひたすら真っ直ぐ並んでる大規模農地も悪くないですが、こんな時代だからこそこういう想いの詰まった小さな田んぼを大切にしていってもいいと思います。
たかが田んぼ。されど田んぼです。
そんな感じで、今年はlifetimeでこの田んぼを使って何か面白いことが出来ないかと色々考えてます。
まだちゃんとした計画は立ってないですがlifetimeでこの田んぼを生かしていけたらと思います。
1枚の小さな田んぼの小話でした。
lifetime特別栽培米絶賛販売中ですのでよかったら是非ー。